エルたんの日常を書くブログ

エルたんの介護体験奇行(紀行) 6 勝治さんの巻

今回は愛すべきキャラクター

施設では2番目の長老である勝治さんの紹介です

 

彼のイメージ・・・

ちびまる子ちゃんのところの友蔵さん

まさに瓜二つ

顔も風貌も喋り方もぜんぶ

 

漫画の登場人物に例えるのは失礼?

勝治さんは、大正15年生まれの93歳

友造さんは76歳らしいから・・・

勝治さんをモチーフにしたのが

まるこちゃんに登場する友蔵さんてことにしておこう

 

でも実は、なんと、智蔵さんは1898年生まれの設定らしい

和暦だと明治31年かな

時代は19世紀だもん

有名人だと、芥川龍之介さんだとか・・・

歴史の教科書だと、日露戦争より前ですよ

 

お見それしました

友蔵さんは歴史上の人物に等しい

勝治さんも光栄です、友蔵さんに似ているなんて・・・

 

勝治さんのボケ具合は

この施設でも最上位クラスのツワモノです

 

いつもの僕との会話です

 

のう、わしゃ大正15年の生まれなもんで

108になるのう

あした、役場にいかんと叱られてしまうかのう

許してくれるかのう

 

勝治さんの歳の数え方は・・・

無造作に指を折ったり戻したりするだけ

まったくもって意味がわかりません

 

適当に両手の指を折ったり伸ばしたりするだけで

瞬時に勘定できる能力ならあやかりたいものです・・・

 

勝治さんは、自分の年齢は108歳だと勘違い・・・

 

うやら、108歳は役場に行って

何かを謝って許してもらう・・・

こう思っているようだ

 

この会話も何度となくしています

初めは「勝治さん、108歳じゃないよ まだ93歳だよ」

言ってたんですけど・・・

 

最近、面倒なんで・・・

「そうだね、108になったから、明日、役場にいこうね」

「おお、そうじゃな」

喜んでるから、これでいいです

 

   勝っちゃんはね、勝治っていうんだホントはね

   だけどボケてるから自分のこと108歳っていうんだよ

   おかしいね、勝っちゃん!

 

そうです

勝治さんには他に深刻な問題があります

緑内障が末期の状態にきているんです

 

昼間や照明がかなり明るいときは・・・

光を感じることと大きいものはどうにか形を感じるくらい

夜は廊下の照明も消してしまうので

ほぼ全盲に近いはず

 

僕も緑内障がかなり進行しているから

辛さがわかるんです

 

眼の障害は不安だし怖いです

だから、勝治さんには一層の愛着を感じます

 

深夜、尿意をもよおすと

勝治さんは手探りで居室をでてきます

 

「便所はどこかのう」

「もれそうじゃ」

「わからんのう」

 

僕はすぐに誘導してあげます

 

でも他の方に呼ばれたり目をはなすと

 

「おお、ここじゃな」

廊下に向かっておしっこを・・・

わあ、勝治さん、ここじゃないよ、だめ

 

遅かったあ・・・

 

「すまんのお、すまんのお」

 

まあ、いいや

仕方ない、掃除すればいいや・・・

 

許せちゃう独特のキャラ

どんなに大ボケでも構いません

いつまでも長生きしてくださいね、勝っちゃん