エルたんの日常を書くブログ

エルたんの介護体験奇行(紀行) 10 バルーン尿カテーテルの巻

高齢者介護施設にいる植木さんのお話です。

 

彼は昭和一桁生まれの87歳
自称ミュージシャンで酒とギャンブル漬け
女性は好きなようだが結婚はせず
これといった身よりもありません

 

認知症もさることながら
あちこち当然の如くボロボロで
心臓はペースメーカーでどうにか・・・

 

末期的な腎不全と前立腺が異状で
尿が出にくいようだ

確かに彼のおしっこは超がつく臭さ
色も牛乳のような白濁したもの
まあ腐った牛乳みたいな感じ・・・

 

とうとう、お医者さんからの通告が・・・
この状態だと尿が体内にまわり3日ももたないかもしれませんぜ・・・


ただ、彼の場合、半年くらい前に余命1週間宣告されてます

とりあえず処置として
尿道バルーンカテーテルというものをつけることに
なんですかそれ・・・
チ〇チ〇の先っぽからチューブを膀胱まで入れ
引っ張っても簡単に抜けないように膀胱側で風船を膨らませる
簡単に言うとそんなもので
信じられないくらいアナログチックなものです


でもちゃんと膀胱内のおしっこが排出されるのがすごい
もちろん垂れ流しなんで
チューブ(ホース)の先には尿がたまるビニール袋をつけてあります

 

ただ普通に考えても違和感満載・・・
植木さんがおとなしくしているはずがない

 

小便がでないぞ
なんじゃこれはとチューブを引っ張る
おまけに半分位溜まったおしっこ袋を振り回す始末

 

なんとかなだめようと
ねえ植木さん・・・
あんたは病気だから自然におしっこがでないのよ
これを付けてないと死んでしまうんじゃ

 

おおそおか、やばいのお
一瞬だが分かってくれた様子

 

だが、流石に認知症の爺さん
そうはいかない
1分もしないうちに同じことの繰り返し

 

でも僕も正直いうと思ってしまう
チ〇チ〇の先に少し太めのチューブがいつも刺さっている感じ
やっぱこれ無理じゃねえ
この違和感たるや半端なし

 

死んでしまうので取ることもできず
とりあえずは睡眠導入剤を服用して
1日の大半を寝てもらうことで様子見・・・

 

ずっと睡眠導入剤で寝てばっかというわけにもいかず
医者に相談・・・
本人が引っ張って取ってしまう可能性が高いならと
チューブカテーテルは外すことに

 

施設側も医者と相談の上
もう本人のすきに任せましょうと・・・

 

スタッフ誰もが数日の余命を意識し
誰の夜勤が終末になるのと
気が気ではありません

 

ところが1週間たっても2週間たっても大丈夫
確かに外した数日はぐったりした様子で
食欲もなくボーとしてヨダレを垂らしたり
でも一週間もすると回復してきて
ご飯までおかわりする食欲ぶり

 

そうだったんです
この人の人間離れした生命力半端なかったんでした
1年前半年前も病気の内容は違えど
医者の余命宣告を跳ね除け
回復しちゃうんです

 

いるんですね
こういう人って

人間の寿命というのはどういうものなんでしょう
あっけなく生涯を閉じる人も沢山います

 

先日、雑記のブログにも記載しましたが
交通事故の犠牲となり幼児が亡くなることも多い

もって生まれた生命力や運命などと一言で語るには
悲しすぎると感じてしまいます

 

エルたんの介護体験奇行(紀行) 9 いちごスプーンの巻

最近、知人に教えてもらったんです

 

昔よくどこの家庭にもあった「イチゴスプーン」

今ではみなくなったでしょ

介護食、離乳食なんかで便利に使えるらしいよ

 

どうやら何かのメディア情報で耳にして

記憶に残っていたようだ

 

聞いたときは・・・

ふーん、そうなんだ・・・

そんな感じ

 

でも、そのあとも案外と頭に残って・・・

面白いなって

 

40歳台以上の方なら絶対知ってますよね

イチゴスプーン

普通のスプーンと違って

先っぽが割れてちょっと尖って

皿の底が平らで

しかも滑らないように凹凸がある

 

実家に子供の頃にあったな

いつから見なくなったんだろ

 

鮮明に覚えてますね

子供の頃・・・

イチゴに練乳やミルクをいれ

イチゴスプーンで潰して食べたこと

 

そういうの最近しなくなりましたね

なぜ・・・

どうやら近頃のイチゴって

大粒で甘い

品種改良で凄く美味しくなっている

だから、そのまま食べるほうがいい

 

確かに昔のイチゴって

小粒で酸っぱい感じでしたね

だから、練乳や砂糖、ミルクなどで味付けしたんだ

 

でも、雪印さんの練乳ですが

今でも販売実績は昔と変わらないようなんです

不思議ですよね

きっとイチゴ以外のものに使われるのかな

 

工夫を重ねて作られたイチゴスプーン

なくなるの寂しく思います

だから・・・

使われ方が変わっても残っていってほしい

 

前回のブログでミキサー食について書きました

魚肉ソーセージのマリネをミキサーで

そう怪しいドロドロ物質

 

介護度が高い方たちには

何でもかんでもミキサーにかけ提供します

まあそうしないと食べられないんで

 

でも、そこまでいかない方も沢山います

細かく切ってあげたり軽く潰してあげたり

結構、面倒くさいんです

 

包丁や菜箸、普通のスプーンなんかでやるんですけど

確かにイチゴスプーンは便利かも・・・

絶対に便利だと思う

 

ちっちゃい乳児用の離乳食にも確かに使える

 

介護や子育ての現場って

とっても大変で忙しいもの

そんな中でちょっとした便利グッズ

すごく助かりますね

 

イチゴスプーンに限らず

工夫を凝らして作られた商品

きっと沢山ありますね

 

時代と共にニーズがなくなり消えゆくもの

用途は変われど存在し続けられれば

それもまた面白いですよね

 

買ってみようと思います

イチゴスプーン

 

ネットでは購入できるようですが

ぜひ店舗で手に取って購入したいと

今から探しに行ってきます

エルたんの介護体験奇行(紀行) 8 謎の掃除機の巻

今回は知的障害者グループホームでの話・・・

 

ここには、絶対に掃除では使用しない
比較的小型の充電式掃除機があります


ダイソンまでとはいきませんが
有名国産メーカー製の良いやつです

普段は半透明のプラ製衣装ケースにいれ
所定のわかりやすい場所においています

そして、いつでも使うことができるよう
週に1回の充電は欠かさない

 

さて問題です
これっていったい何のためのもの?

勘の良い方・・・
すぐにわかるかも・・・

 

そうです
食事で食べ物を喉に詰まらせ
背中を叩いたりしても
どうしても解消しない・・・

こんな時、掃除機のホースをお口にカポっと
一気に強モードで吸い取る
これが答え

 

効果のほどは・・・?
ちょっと怪しいかも?
だって僕は使ったことないです
多分、他のスタッフも

原理は単純です
誰でもわかります
だけど上手くいくの
少々疑心暗鬼

 

ただ、知的障害の方って
食事を一気に信じられないスピードで
食べる人が多いんです

ほとんど噛みもせず
ちゃんと噛もうねっていうんですけど
ふんふんて頷き
まったくわかっていません

 

信じられない大量の物質を
いとも簡単に喉を通過させる能力をお持ちです
飲み物も一気飲みします

割と何でも食べてもらうことが多いですね

お正月はおせち料理を提供しますし

お雑煮だってつくるんです

まあ、お餅は普通のものではなくて

魚のすり身を加工したお餅モドキですが・・・

 

時に喉に詰まらせることがあっても
まったく不思議ではないですね

ここの人がそうであって
知的障害の方が全般というわけではないですよ

 

この掃除機喉詰まり解消システムですが
高齢者認知症支援ホームの方にはないですね

あってもいいかも

 

僕は長期にわたっての普通の会社員でした
コンピュータや機械の相手
そして、会議ばっかの日々

 

今は見るもの聞くものがみんな新鮮
そして不思議体験満載の日々
また違った新しい仕事にも
巡り合いたいと・・・
思っています

エルたんの介護体験奇行(紀行) 7 魚肉ソーセージの巻

グループホームのお仕事

食事を作って提供するんです

 

この業界に入る前は料理経験ほとんどなし

凄く戸惑いましたね

 

作るメニューは決まっています

一応、栄養士さんが作った献立のようです

 

はじめは、ネットでレシピを検索・・・

どんなメニューでもあることに驚き

味付けの調味料もすごく正確に

ちゃんと再現していました

思い出します

あの頃は・・・

 

3年ほど経ちました

最近は実に生意気に適当につくること

身につけたようです

 

さて、今回のメニューの中

マリネって書いてあります

材料欄・・・

魚肉ソーセージ 玉ねぎ オリーブオイル 酢 塩 砂糖 胡椒

こんな感じ 確かに、魚肉ソーセージと玉ねぎきてるな

 

魚肉ソーセージと玉ねぎのマリネって大丈夫なの?

だいたい、この施設にオリーブオイルなんてあるか?

みたことねえ

 

そうだ

下の階に、案外若いけど意外とベテランのスタッフがいたから

聞いてこよう・・・

 

ねえ、メニューみた?

魚肉ソーセージと玉ねぎのマリネってありかな?

オリーブオイルなんてあったっけ?

 

高橋さん、この施設にオリーブオイルなんてないですよ

未だかつてみたことない

大丈夫ですよ、マリネっていったって連中に味なんて分かりっこない

適当に食材刻んで塩でもかけときゃ

 

まじか・・・

聞く奴、間違えたな

 

でもどうやらオリーブオイルはなさそう

代用できるもの・・・

オイルらしきもの・・・

あるのは、サラダオイルしかない

まあ仕方ない

なんかとってもベタベタしそうだけどやむえん・・・

 

僕にとって

それ以前の問題が

魚肉ソーセージ使うのや嫌だな

だって嫌いというか

美味しくない

結構な年齢なんで子供の頃に食卓にあったな

給食にでた思い出もある

まずいという感覚しか残っていない

それ以降、食べた記憶がない

 

とりあえず、魚肉ソーセージを剥いてみるか

うわあ、なんかすげえ匂いだな

ちょっとだけ切って口に入れてみよう

うん、やっぱりまずい・・・

食感も味も、そしてなんか生臭い

僕は好き嫌いがないんです

魚肉練り物系、かまぼこ、はんぺん、さつま揚げだって大好き

肉も野菜も

何が嫌いって、ほぼない・・・

でも、これ唯一だめかも

 

しかも、魚肉ソーセージ太いのが5本

玉ねぎ大3個

9名分ですよ

丼1杯ずつだすのかよって感じ

 

どうする

心の中でペルソナが葛藤・・・

 

ねえねえ、こんなの作っちゃだめだよ

ぜったいまずいよ、みんな食べないよ

食材捨てちゃって

代わりのもので適当に作っちゃえば・・・

 

ダメダメ、ルールだから作ってださないと

これは仕事なんだから

 

やば、なんか自分な中で葛藤が始まったぞ

 

ようやく方向性がきまります

とりあえず、そのまま作ることに決めました

 

料理開始・・・

魚肉ソーセージの皮むき5本 

  そして千切り・・・やたら切りにくい 嫌な匂いするし

玉ねぎ3個も薄く切りました

サラダオイルと酢、塩コショウ、砂糖など混ぜ食材と混ぜる

 

いちおう完成・・・

マリネらしきものが

 

そして、これはオキテというか宿命

いざ試食します

うーん、食べられなくもないけど、やっぱマズイな

しかし、すごい量になったな

ホントに丼でだせそう

小さい小鉢で少しだけ配膳することで

ペルソナは収まったようです

(自問自答して決めました)

 

うん、もう一つありました

ここには、介護度4の食事を全介助する方が2名おります

寝たきりのその方への食事は・・・

ミキサー食

料理したものと少量の水をミキサーにかける

ドロドロになったものに「トロミ」という粉をいれると粘性が増す

まあ、スムージーをちょっと固くしたようなものですね

これも作りました

 

ドロドロで少し生臭いあんまり美味しくない液体状のもの・・・

これも、2名の方に食べてもらいましょう

 

なんか疲れました

普段は結構手際なく料理は自信があるのですが・・・

 

こんなこと滅多にないんですが・・・

食材を無駄にしちゃったこと

魚肉ソーセージをとっても悪者にしちゃったこと

  製品を作っている方いますよね、マルハさんとか・・・

   ごめんなさい

  

ちょっとした疑問・・・   

  魚肉ウインナーってあるの?

  ソーセージとウインナーって違うの?

  答えはなし、違いも大差ないようです

それと、最近は高級魚肉ソーセージがあるようで

食感も味も良いようです

後学のため食してみたいです

 

グタグタと書いていたらとっても長文になってしまいました

ごめんなさい

次回はきっちりいきますね

宇都宮動物園での捨て犬ブログをみて 本当に許せない思いです


ameblo.jp

今朝の情報番組で宇都宮動物園での捨て犬報道

園の外に多くの子犬が捨てられていた

 

目を疑う思い・・・

ホントに何でこんなことできるの・・・

 

更に実際の画像をみる

胸が締め付けられる・・・

 

僕は子供の頃から犬が好きだったわけではないんです

むしろ、母親が動物が苦手

僕も大型犬などは怖いイメージ

 

犬を迎え入れたのは

娘があまりにも欲しがったから

中型犬のキャバリアという子犬が我が家に

 

初めは正直そんなに愛着はわかず

数年は適当に撫でる程度・・・

僕が散歩に連れていくのも気が向くとき

こんな感じだった

 

僕は、あることがきっかけで

人を信じられなくなった

誰とも接触したくない

人間て、なんてずるくて身勝手なんだ

 

僕は家に引きこもることが多くなり

人との繋がりを避けるようになった

 

家で辛そうに考え込むことも

そんなとき、彼女(ワンコ)はさり気なく近づく

彼女も悲しそうに僕の顔をじっとみる

 

元気を出して・・・

言わんがばかりに

 

この時、僕は思ったんです

僕は君のことをよく知ろうとしてなかった

でも君は僕のことをいつも見てくれていたんだ

 

なんてことだ

涙が溢れてきた

初めてワンコと心が通じあえた瞬間・・・

今も覚えている・・・

 

犬はイタズラするけど

ずるいことはしない

愛情を素直に受け入れてくれ

本当に純粋な生き物・・・

 

感情や言葉をよく理解する

とっても賢い生き物

 

犬とホントの意味で交流がはじまった

僕は彼女に救われたんだ

 

数年後、彼女はガンを煩い

10年の短い犬生を閉じてしまった

 

あれから7年・・・

僕は今でも新たなワンコを迎え入れることはない

できないのかもしれない

 

それでも、外で出会うワンコたち

愛情を感じ・・・

友達だと思うことができる

 

宇都宮動物園のみなさま

様々な葛藤の上

ブログや映像公開に至ったんだと思います

深く考えてくれる方々も沢山いて

本当に懸命なご判断だったと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

琵琶湖で園児を巻き込む痛ましい事故がまた そして僕が思い描くこと

テレビのニュース報道を見ました

本当に痛ましい事故ですね

 

琵琶湖周辺の素晴らしい景観がうつり

こんな環境のもと、すくすく育った雅宮くん、優衣ちゃん

なんで君たちだったんだろう

 

僅かに2年という短期間で人生を終えることになって・・・

 

なぜ運命は、なにも悪くない2歳児の生涯をとじてしまうの・・・

これから素晴らしい経験

素敵な出合いが待っていたはず・・・

 

2人とも親の愛情を沢山うけて育っていたと思う

幸せだったの

楽しかったの

 

そんなのを思うのは

自我が芽生えて目覚めていってから

僅か2年では短すぎる

本当に悲しい出来事だ

 

避けられない事故だったと思う

 

だから思ってしまう

ツイテルとかツイテナイとかではなく

なんでこんなに不公平なんだろう

 

もし今度生まれ変わったら

誰よりも幸せな人生を送ってほしい

 

人間だけではない

生きるものの生涯を決める運命って

いったい誰が決定するの

 

すべての生物は生きるために

他の物を食べてしまう

罪深いものかもしれない

 

生物としては最上位に位置する人間の存在

その運命は見えない何かが決めてしまうのだろう

 

別のことを考えることがある

 

100年の生涯を全うする人がいる

自ら死にたいと思っている人がいる

日々を楽しんでいる人がいる

日々を悲しんでいる人がいる

健康で趣味やスポーツを満喫している人がいる

病気やケガで絶望している人がいる

生まれながら障害をもった人がいる

成功し裕福な人がいる

失敗してドン底に苦しむ人がいる

 

いったいこの差はなんなのだろう

努力すれば報われるもの?

運がついていた、ついてない

そんな単純なことなの?

 

きっと逃れられない何かがあるのだろう

 

人は生きていく上で無数の選択をする

日々、あたりまえのように何かを考え

単純な選択

思い悩む大きな選択

そうして今日を生きている

 

あの時、間違った選択をしてしまった

悔やんでも悔やみきれない

誰でもあると思います

僕には数え切れないほど・・・

 

誰でもタイムマシンという名前は

子供でも老人でも知っています

 

過去に戻ったり未来に行ったり

そんな解釈ですね

 

映画のSF作品やドラえもんのどこでもドア

そんなものはどこにもないと思います

 

でも、最近のことです

ブラックホールの撮影に成功した・・・

ワームホームの存在は・・・

科学はそんなところまできています

驚きです

 

タイムマシンの理論

アインシュタイン先生の一般相対性理論

光速移動で時空を超える

夢というよりファンタジー

 

物語や映画では

過去に戻って過去の出来事を変えてしまい

現在や未来に反映すること

ありますね

 

でも真面目に考えると

そんなのムリ

 

だって、矛盾だらけ

 

自分が主体になってるだけで

巻き込まれた他の人や事象はどうなっちゃうの・・・

 

今まで存在した人が急にいなくなる

大金持ちだった人が突然の超貧乏

 

あっと驚く変化が目の前で起こるの

矛盾とは起こりえないことです

 

つまり、同じ導線上の過去現在未来は普遍

絶対に変わると矛盾が生じる

 

でも、パラレルワールドという考え方なら・・・

 

宇宙には無数の異空間異次元が広がる

違う選択によって生まれた過去現在未来も無数に存在・・・

 

違う時空の過去に戻れば

その同じ時空の現在や未来は変わっている

 

そんなことが可能であっても

自分が思い描く時空に行けるのかはわからない

 

時空の迷子になる可能性もある

それでも少なくとも今と違う人生を生きることになる・・・

 

なにか随分と方向感が変わっていってしまった感はありますが

琵琶湖で起きた悲惨な事故の被害者である雅宮くん、優衣ちゃん

ご冥福をお祈りいたします

 

エルたんの介護体験奇行(紀行) 6 勝治さんの巻

今回は愛すべきキャラクター

施設では2番目の長老である勝治さんの紹介です

 

彼のイメージ・・・

ちびまる子ちゃんのところの友蔵さん

まさに瓜二つ

顔も風貌も喋り方もぜんぶ

 

漫画の登場人物に例えるのは失礼?

勝治さんは、大正15年生まれの93歳

友造さんは76歳らしいから・・・

勝治さんをモチーフにしたのが

まるこちゃんに登場する友蔵さんてことにしておこう

 

でも実は、なんと、智蔵さんは1898年生まれの設定らしい

和暦だと明治31年かな

時代は19世紀だもん

有名人だと、芥川龍之介さんだとか・・・

歴史の教科書だと、日露戦争より前ですよ

 

お見それしました

友蔵さんは歴史上の人物に等しい

勝治さんも光栄です、友蔵さんに似ているなんて・・・

 

勝治さんのボケ具合は

この施設でも最上位クラスのツワモノです

 

いつもの僕との会話です

 

のう、わしゃ大正15年の生まれなもんで

108になるのう

あした、役場にいかんと叱られてしまうかのう

許してくれるかのう

 

勝治さんの歳の数え方は・・・

無造作に指を折ったり戻したりするだけ

まったくもって意味がわかりません

 

適当に両手の指を折ったり伸ばしたりするだけで

瞬時に勘定できる能力ならあやかりたいものです・・・

 

勝治さんは、自分の年齢は108歳だと勘違い・・・

 

うやら、108歳は役場に行って

何かを謝って許してもらう・・・

こう思っているようだ

 

この会話も何度となくしています

初めは「勝治さん、108歳じゃないよ まだ93歳だよ」

言ってたんですけど・・・

 

最近、面倒なんで・・・

「そうだね、108になったから、明日、役場にいこうね」

「おお、そうじゃな」

喜んでるから、これでいいです

 

   勝っちゃんはね、勝治っていうんだホントはね

   だけどボケてるから自分のこと108歳っていうんだよ

   おかしいね、勝っちゃん!

 

そうです

勝治さんには他に深刻な問題があります

緑内障が末期の状態にきているんです

 

昼間や照明がかなり明るいときは・・・

光を感じることと大きいものはどうにか形を感じるくらい

夜は廊下の照明も消してしまうので

ほぼ全盲に近いはず

 

僕も緑内障がかなり進行しているから

辛さがわかるんです

 

眼の障害は不安だし怖いです

だから、勝治さんには一層の愛着を感じます

 

深夜、尿意をもよおすと

勝治さんは手探りで居室をでてきます

 

「便所はどこかのう」

「もれそうじゃ」

「わからんのう」

 

僕はすぐに誘導してあげます

 

でも他の方に呼ばれたり目をはなすと

 

「おお、ここじゃな」

廊下に向かっておしっこを・・・

わあ、勝治さん、ここじゃないよ、だめ

 

遅かったあ・・・

 

「すまんのお、すまんのお」

 

まあ、いいや

仕方ない、掃除すればいいや・・・

 

許せちゃう独特のキャラ

どんなに大ボケでも構いません

いつまでも長生きしてくださいね、勝っちゃん