エルたんの日常を書くブログ

エルたんの介護体験奇行(紀行) 5 知的障害者たちと出会っての巻

今回は知的障害の方たちとの交流を通して・・・

 

ここは、100人規模を収容する大型施設と

5~7人くらいの普通の一般一戸建てを

10箇所くらい有する「知的障害者専用生活支援施設」・・・

 

僕がいるのは、5人が暮らす一般住宅

住人は、みんなIQ30に満たない知的障害の方たち

 

会話は・・・ ほぼ出来ません

排泄は・・・ トイレで上手にできたり、できなかったり

入浴は・・・ ひとりでは危なっかしい

食事は・・・ お手伝いがあればなんとか

単独外出・・・ 絶対ムリ

就労は・・・ ムリ

 

まあ、こんな感じです

ですから、生活全般を仲良く一緒に暮らしながら介助する感じですね

 

それぞれは、プライベートな居室があるのですが

やっぱり見守りが必要ですね

 

人にもよるんでしょうけど

人見知りも多いかも・・・

 

僕もはじめのうち

噛み付かれたり

体当たりされたり

色々とありました

 

でも、こちらが友好的に愛情をもって接すると

打ち解けてくれます

満面の笑顔で握手を求めてくれます

 

始めの頃は、彼らを可哀想と思ってしまいがち

僕もそうでした

 

いたるところを施錠したり

見守りといっても、ある意味では監視

 

そうそう・・・

1人で逃げ出しちゃったことがあるんです

総動員で捜索したんですけど行方不明

ホントに困り果てたんですけど

 

翌日なんと埼玉県の警察から通報

施設は神奈川県からですよ

 

公共交通機関に乗車することは考えられない

ましてや、お金を持ってません

 

どうやって、埼玉まで行ったの?

今でも分からないんです

でも見つかって、ホントに良かった・・・

 

彼らの話をきいて

きっと小さい子供を思い浮かべていますよね

みんな60歳以上です

最年長は72歳のおじいちゃん

 

でも誰が見ても、20歳以上若くみえるんです

なんでですかね・・・

きっと、心が純粋で綺麗だから

汚いこと、汚れていることを知らない・・・

 

彼らは僕のことを「ちぇんちぇ」を呼びます

そのあとの用件は

会話ではコミニュケーションできません

でも、心は通じ合い

わかるんです、言いたいこと・・・

ピュアとはこういうこと

しょっちゅう、色んなことやらかしてくれます

粗相やイタズラ・・・

正直、頭に来ることもしばしば

だけど、「まあ、いいや」

すぐにこう思えちゃう

悪気のかけらもないから許すしかないです

 

さっき、可哀想なの?

きっと違います

 

知的障害者への蔑視などととらわれると凄く嫌なんですが・・・

色々と制約や出来ないこと沢山ありますが

ぜったい可哀想なんかではない

 

僕らは僕らで住む世界があり

楽しいこと、嫌なこと、醜いこと、沢山あります

彼らは彼らで住む世界があり

同じなんじゃないかな・・・

彼らは出来ないことで落ち込まないし

僕らより秀でていることは絶対にある・・・

 

例えが適切じゃないかもしれませんが

ワンコやネコちゃんたちは

彼らの住む世界の中で楽しく生活している

だって、嬉しいとジャンプして大喜びするじゃないですか

 

障害者は、健常者の手助けがないと生きていけない・・・

もっともかもしれません

それでも、彼らと共存するなかで

彼らの未知なる能力を見いだせる環境が

できてきたらと思います。

エルたんの介護体験紀行 4 ゾンビの巻

認知症の方の最大の特徴は・・・

何でもかんでも3秒以内に忘れちゃうこと

ある意味すごい瞬間芸

 

出来るだけ話しかけをするようにしています

でも会話は成り立ちません

 

そりゃそうなんです

超速で忘れますから・・・

 

排泄欲求がおこると

自分でトイレに行ける方は向かいます

 

トイレを済ませると居室に戻ります

 

でも、その時にはトイレに行ったこと、すっかり忘れて

脳には、「トイレに行かんと」だけ残っているようで

また、トイレに行くんです

 

恐らく、居室に戻る道中には忘れてますね

 

この反復繰り返し、1回や2回じゃないです

人によっては10回以上・・・

 

やば、延々に繰り返すの

電池が切れるの待つしかないかな

 

夜間は更なる現象が・・・

どなたか排泄欲求で目を覚まし

トイレ反復横跳びが始まると・・・

 

これって他の方に伝染するんです

というか、ガタガタするから目を覚ましやすくなるだけ

グループホームの1フロアーは大抵9名以内

 

2人3人4人と覚醒

うつむきながら黙って

トイレ反復横跳びを繰り返す住民たち

 

あるとき、僕は思っちゃいました

そう、不安というか恐怖を感じて

テレビや映画も観たことあるぞ

不謹慎かも ごめんなさい

 

「ゾンビ」

 

最近だと、「カメラをとめるな」で観ました

 

でも、ほんとに鳥肌たっちゃったんです

この感覚、なかなか伝えづらいんですけどね

 

夜間は大抵、介護スタッフは1人です

時として色んなことが起こります

不思議な感覚を感じてしまうのは僕だけですかね・・・

エルたんの介護体験紀行 3 うんこの巻

今回のテーマは、「うんこ」・・・

介護の世界で超えるべきハードル

それは、「うんこ」かも・・・

 

普通の人が普通の生活をしていて

他人のうんこに巡り合うことありますか?

 

勿論、愛すべきペットのじゃないですよ

いわゆる人糞

 

それも・・・

自分の子供や親兄弟、家族でもなく

他人の排泄物ですよ

 

ないはずです

だって、僕も戸惑いました

 

最近は、「うんこミュージアム」だの

うんこをモチーフにした教育教材だのと

うんこを美化したもの

いっぱいありますが

考えられません

 

うんこって、とても汚いです

人間の排泄物なんで、あたりまえ・・・

 

介護のお仕事では・・・

うんことの遭遇なんてあたりまえ

まさに日常茶飯事

しかも・・・

うんこを触ること

観察する、匂いを嗅ぐ

 

はっきり言って

他人のうんこを扱う事など毎日なんで

うんこ自体の汚い感覚は慣れます

 

でも、臭い匂い、便臭・・・

こいつは慣れないです

やたら臭いんです

 

しかも、訳わかんない薬を大量に摂取しているせいか

臭さも格別・・・

 

うんこと介護、これはもうセットですね

 

昨夜の話です

リビング兼食堂で夕食を済ませると

なにやら、強烈な便臭が・・・

 

僕の特技、便臭で、ほぼ誰のものか分かる

やばい、この臭さ、一番厄介な車椅子の〇〇さんじゃん

 

当然的中

大量の超柔らかい下痢状のうんこが

大型の夜用パット、おむつも通り越し

ズボンも車椅子の座席をも通過し

フローリング床に広がっています

 

凍りつきました

まさに地獄絵図、介助スタッフも当然自分だけ

 

驚いて刺激させてはいけません

興奮して、うんこを投げつけてきたら更に一大事

 

まずはここから脱出しよう

居室に車椅子誘導

ありったけの新聞やら防水シートの上に

全裸にして寝かせます

 

うんこだらけの身体を綺麗に拭き

おむつ、大型のパット、そして全更衣・・・

 

ようやく先がみえてきました

このあとの惨劇の掃除等はご想像の通りです

 

あ、そうです

今回は驚きの事態が起こります

なにやら騒々しいので不安になって

小走りにリビングに戻ったんです

 

小走りに行ったフローリングのうんこの上に

なんと足が・・・

 

まじ滑るんです、バナナの皮どころではありません

まさに漫画で滑って一回転、頭から落下

あの下痢状のあいつの上に

 

ここまできたら、もうどうでもいいです

これ、嘘のようなホントの話・・・

 

次回はどんな話にしましょう

心温まるようなエピソードもいいですね

エルたんの介護体験紀行 2 高齢者介護業界に物申すの巻

介護の現場、特に高齢者、認知症・・・

やっていて感じます

 

〇〇さんがおっしゃいました

食思良好にて召し上がりました

 

最上の敬語ですよね

こんな感じで記録したりします

 

うーん!

ここはホテルなんかあ!

別に認知症の高齢者を蔑視するわけじゃないですよ

僕的には違和感満載

お客様は神様感

 

わかりますよ

こんだけ寿命が延び、平均年齢が急上昇

認知症高齢者も急増加

治療なんて追いつかないですよ

 

当然、ビジネスとしても急展開

沢山の施設が急増され

熾烈な客取り合戦

だから、ホテル以上に「お客様は神様」

なんかがおかしいよ

 

本来は介護の世界は信頼関係で成り立つもの

スタッフや介護される側のすべてが・・・

相互に信頼しあえる関係性ではないと思える

 

勿論、全てにおいてじゃないですよ

つい最近あったこと

 

認知症の患者には、食前食後、眠前、決められた時間

おまけに頓服、信じられないほど大量に服薬する

なんだか訳わかんない薬ばっか

 

いつものように

○○さん、お薬の時間ですよ

ちゃんと飲んでくださいねー

はーい、どうぞ

薬を口に運んだんです

 

どうなったと思います

 

本気で噛み付いたんです

ワンコや猫の甘噛みじゃあなく

ホントの本気噛みです

人差し指、中指は血で真っ赤になり

指が食いちぎられるかと思いました

 

「何するの」・・・

そのジジイ、にやっと笑うんです

気持ち悪、いいえ、恐怖です

 

親にも、いや・・・

ワンコにも噛まれたことないのに

(余談ですが、ワンコが大好きです

ワンコブログもやりたいな)

あ、すいません・・・

 

でも、びっくりでしょ、狂人病かも

(噛まれて、ゾンビ化したらどうしよう)

 

この方ですが、ここでは若い78歳男性

確かに普段から反抗的で

誰彼ともなく睨みつけるかんじ

 

でも僕らは、丁寧に接しているんですよ

(心の中では色んな感情ありますよ)

 

指を食いちぎられなくて本当に良かった

 

あとから思うと

なんか、人間というよりも

野生の動物的なものを感じましたね

 

認知症って、もしかすると

人にもよるんでしょうけど

野生動物化する所見があるのかな

噛み付き注意の看板つくらなくちゃ

 

それではまた次回・・・

五体満足でいられるといいな

 

 

 

 

エルたんの介護体験紀行 1 転職して介護の世界へ

長きに渡り、事務系、技術系のサラリーマンから一転

知的障害者、高齢者の介助の仕事に・・・

 

ようやく3年ですね

 

一言、大変な仕事

そして、大変な現場・・・

 

このブログを通して

色んな経験やあるあるを

お話できればと思います

 

感動秘話や深いい話

時には

露骨なあるあるネタ

過激な言動だって

リアルに伝えたいですね・・・

 

でも、まずは、この業種を経験するきっかけです

 

僕は元来、無理せず着実に生きるタイプで

22歳で就職すると

全く転職などという選択肢をもたずに

20数年を迎えていました

まあ比較的に条件や待遇も良かったこともあります

 

でも、そんなある日、病気が発覚したんです

眼の病気、緑内障、しかも結構の進み具合

 

大学病院の眼科医師の言い方もちょっとです・・・

  

  この病気治りませんよ

  はっきりした原因も不明なんで

  一度壊れた視神経は再生しないんで

  (まあ確かなんですねどね)

   失明の原因は一番ですが延命の可能性はありますよ

   でも、大学病院でも街の専門医でも一緒なんで

   良さそうな眼科を探してみたらどうですか

   (ひょっとして追い出されたの・・・

    大学病院って治んない病気やらないの?)

 

まあいいです

そんな感じで、ネットで調べたり紹介やらで

数箇所の眼科を渡り歩き

現在の眼科は、もう3年通っています

 

話は変わりますが

あるきっかけで、割と近くにある知的障害書の支援施設を知ります

そして、見学する機会ができたんです

初めての体験です

責任者やスタッフの方とも会話できました

 

すると、自分の中にある思いが・・・

 

いつか自分も盲目になったら

色んな方々の助けが必要になるのかな?

今なら、自分でも少しは介助できるかな?

これ、まじなんですよ、偽善でもないんですよ

 

そして、トントンと話は進み転職・・・

福祉介護の業界に足を踏み入れることに・・・

 

そんな思いはあるにせよ

実際に入ってみて、この業界の恐ろしさや

色んな事実を知ることになります

勿論、良いこともありますよ、かも?

 

まず、2年間、割と大規模の知的障害者支援施設で

彼らと生活することになります

そして現在は、高齢者認知症介護ホームで

老人介護をしております

 

双方の介助内容は同じようでありながら

根幹は違うように思えます

 

自己の紹介はこれくらいにして

次回からは、経験の実話や感じたこと

あるある(ネタ)やここだけの話・・・

 

障害者、認知症高齢者の現場を

織り交ぜながら話せればと思います

思い余って、過激な発言があっても

許してくださいね

 

 

 

池袋で起きた高齢者ドライバー事故 被害者松永さんご家族を想って

普段は、こんなにも感じたりしないんです・・・

 

平成も残りわずかになった時、池袋で元官僚高齢者が起こした暴走事故です・・・

ふと、テレビをつけると

被害者の旦那さんの記者会見が眼に入ってきたんです

しばらく、じっと聞いていると

なにやら言い知れぬ思いが込み上げて

胸が締め付けられるというか

とにかく、心が痛いんです・・・

 

彼の妻である真菜さんへの想い、愛娘の莉子ちゃんへの愛情が

わずかな会見で伝わり

真奈さんという女性の優しさが思い浮かびました

 

僕の中では、しっかりと、真奈さん、莉子ちゃんの

素晴らしさがイメージしてきました

 

彼は、会見冒頭で悔しさを連呼しました

それでも、加害者を名指しで憎んだり

恨んだりせず・・・

 

ネットでは連日、加害者元官僚への憎しみが蔓延・・・

そして、「上級国民」などと、警察やマスコミの対応に

非難の声が・・・

 

短時間の会見を通して彼の人間像は、

妻であった真奈さんを通じて出来上がり

本当に素晴らしい家族だったんだと伝わりました

 

彼の願いは、自分たち家族に起きた悲劇を繰り返して欲しくない・・・

悲しみに暮れる最中、彼の本音の声が聞こえる

 

これは、真奈さん、莉子ちゃんの声なんだ

だからこそ、映像を公開した

 

彼の胸中や心の葛藤を想像する

今回の彼の決断は、とても勇気がいたと思う

でも、このことで、沢山の人が真剣に考え

こういった事故は軽減すると思う

  

実は、僕も今回のことで自分を見つめ直すきっかけとなったんです

 

高齢者が起こす事故のニュースは、時折、見ることがありました

それでも、自分には関係ないと目を背けます

僕の年齢は57歳、高齢者と呼ぶにはまだまだ・・・

 

でも違うんです

 

10年前に、あることがきっかけで目の病気が発覚・・・

緑内障、眼の視神経が壊れ、視野が欠損する病気

しかも末期的な状態・・・

 

通院していた大学病院では治らない病なんで

失明するまで通いやすい町医者に行かれればと言われましたね

 

それから数多くの眼科を転々と通いました

今でももちろん・・・

 

でも、そのことで生活が一変

 

長年勤めた会社を退職

けっこう有名な企業だったんですが

業務の内容や遠方への通勤が眼の負担になり

 

色々やりました

市内で店を開いて、小さく起業

でも、サラリーマン経験しかない自分にとって

分不相応、あえなく大失敗・・・

 

当然、蓄えもなくなり、おまけに多額の借金まで・・・

持ち家も住宅ローン滞納がかさみ、競売による強制退去執行・・・

 

次なる悲劇は家庭崩壊

当たり前ですが、妻と23歳の娘はでていき

現在もどこにいるのか分かりません

 

自分もホームレス寸前

ボロの軽自動車の中で、なんとか死なない程度に

寝袋で生き延びたのが半年前です

 

自暴自棄になり、マジモードで死のうと思ったこと

100回あります。

と言うか、毎日考えていました

 

そんな時、やっぱり負のスパイラルなんです

たくさん、人に騙され、裏切られました

 

僕は、元来、人を疑うことを知りませんでした

人を信じられない引きこもり開始・・・

 

半年近く、人と会うことを嫌い

貧困で、ろくな食事もとれず

身体も精神もボロボロに疲弊していました

 

障害者認定や生活保護は、諸事情あり

諦めました

 

そんな折、人生を再スタートするキッカケとなった

数名の方との出合い・・・

真剣にアドバイスしてくれたり

生きるための手助けを本気でしてくれて

もう一度、生きることに向き合うことにしたんです

 

今は、何とか、アパートに住んでいます

仕事は、不自由なことも多々ありまして

日雇い的なものと

週1回程度ですが、グループホーム

老人介護をすることになりました

以前、発達障害(知的障害)の方達の生活介助を

2年間経験したのがきっかけです

 

生きるために、できる仕事をする

そのため、軽自動車を運転することも・・・

 

でも良く見えてないんです

ほぼ勘で運転することもしばしば・・・

絶対に危ないと思っているんです

 

生きるため

仕方ないと思ってしまう

 

でも違うんです

仕方ないのは自分の都合

色んな事情はあっても

これだけは守らなくちゃいけないルール・・・

 

今回のことで、はっきり気づいたんです

だって、自動車は走る凶器・・・

 

彼の祈りのように

第2の真奈さんや莉子ちゃんをだしては

いけないんです

 

最後に・・・

献花台に花をたむけることはできませんが

ご冥福をお祈りするとともに

生まれ変わっても

また、3人が家族として巡り会えることを

そして、今度こそ

幸福な人生を全うできるよう

心からお祈り申し上げます